2025年5月例会レポート

講師

株式会社イノベーション  代表取締役 富田直人氏
株式会社Geolocation Technology  代表取締役 山本敬介氏
株式会社スマートゲート  代表取締役 後藤康宏氏
株式会社リック  代表取締役 西原美由紀氏
株式会社トリプルエス 代表取締役 安田周氏

「社長のお前がしょぼいから悪いんだよ」──本気の問いが突き刺さる

静岡イノベーションベース(SIB)では、2025年5月の月例会にて、SIBの理事メンバーやEOに所属されている先輩経営者である株式会社イノベーション 代表取締役 富田直人氏、株式会社Geolocation Technology 代表取締役 山本敬介氏、株式会社スマートゲート 代表取締役 後藤康宏氏、株式会社リック 代表取締役 西原美由紀氏、そして株式会社トリプルエス 代表取締役 安田周氏をお迎えし、HOW DIVEセッションを実施しました。
今回は通常の講演形式ではなく、参加者の悩みや課題に深く潜る対話型のプログラム。一方通行ではなく、双方向の“ダイブ”だからこそ見えた、経営の核心と向き合う時間となりました。

このレポートでは、メンター陣との対話から得られた気づきと、SIBという場がもつ可能性について、共に学んだ私たちの視点でお伝えします。


1. 「問い」が経営者を鍛える

「社長の1on1は、社員にとっては強すぎる」。 あるメンターが何気なく口にした一言に、会場が一瞬ピリッと静まりました。

経営者が“伝えたつもり”でも、受け手の立場や感情次第ではプレッシャーにしかならない。 そんな当たり前のことが、日々の忙しさに流されて見えなくなっていたと、多くの参加者が気づかされた瞬間でした。

「役員と本当に向き合えているか?」「部下に期待しすぎていないか?」

言われてみれば心当たりがある。そんな問いが次々と投げかけられ、会場には緊張感と学びの空気が漂いました。

How Diveで大切にしているのは、正解ではなく“本気の問い”です。 メンター陣は、安易な答えを与えるのではなく、問いを重ねることで参加者の思考を深く耕していきます。

「いきなり王手を指すような覚悟を持てているか?」 「その判断は、自分のエゴじゃないのか?」

問いが深まるほど、自分の内面と、真正面から向き合わされる。 この過程そのものが、経営者を磨くのです。


2. 「撤退基準を決めてから始める」──事業の冷静な立ち上げとは

とある参加者の「新規事業の進め方」に対し、メンターから返ってきたのは、

「2年で営業利益1000万円が出ないなら、譲渡か撤退。その基準を最初に決めておくべき」

という明快な答えでした。

情熱と勢いだけで事業を始めがちな起業家にとって、極めて現実的かつシビアな視点です。

多くの経営者が、自社の事業ごとにそんな撤退基準を持っているか?と、自問を始めました。

「なんとなく続けてしまっている」「情で判断してしまっている」 そんな心当たりに気づいた瞬間、会場の空気がまた変わりました。

撤退とは敗北ではなく、未来を守る戦略的決断。 そのための“線引き”があるかどうかが、企業の健全性を左右するのだと強く感じました。


3. 採用は「命」──未来をつくるのは誰か

「伸びる人は、ほっといても伸びる。問題は“採用”なんです」

この一言に、会場にいた全員が深く頷きました。

非行に走った社員をどうするか──そんな問いの背景には、採用力と向き合う覚悟の有無があります。

あるメンターは、日々ビズリーチの新着通知を確認し、声をかけることを日課にしていると言います。 トップが採用にどれだけコミットしているかが、組織の未来を左右する──そんなメッセージが強く響きました。

さらに「採るときは冷静に、育てるときは情熱的に」という言葉が印象的でした。 入社後のオンボーディング設計や、ミスマッチの早期修正もまた、経営者の責任。 採用は未来への投資であり、怠れば事業の根幹が揺らぐ。 それを日々実感しているからこその言葉でした。


4. 属人性を脱し、組織に任せるということ

「組織は、空いたところを自然に埋めてくれるものなんです」

この言葉は、個の力に頼って経営を続けているリーダーにとって、驚きでもあり、救いでもありました。

優秀な個人がいるから大丈夫──そんな属人的な考え方を続けると、いつか必ず限界が来ます。

「標準化と見える化ができているか」 「幹部が共通言語を持てているか」

3C分析やSWOTなどのフレームを“知っている”ではなく、“共通認識として使えているか”が問われました。

属人性の排除とは、冷たいことではなく、未来への備えであり、信頼の証でもあるのです。


SIBは“本気の問い”と“越境の学び”に出会える場所

今回の月例会は、単なる勉強会や講演とは違い、参加者一人ひとりが自分の課題と向き合いながら、メンターたちの言葉に揺さぶられ、気づきを得る体験型の学びの場でした。

その中心にいたのが、SIB運営メンバーでもある後藤康宏さん。 彼をはじめとする先輩経営者たちが、忖度なく、時に厳しく、でもあたたかく本音で語り合ってくれるこの場は、経営の現場感に満ちています。

また、SIBの魅力は“越境性”にもあります。 静岡という地域に根ざしながら、全国のIBネットワークと連携し、さまざまなバックグラウンドを持つ経営者たちと交流できるのは、他にはない特徴です。

経営に正解はありません。 でも、問い続ける仲間がいれば、必ずヒントは見つかる。 SIBはそんな場所です。


次回予告:6月6日(金)SIB×NIB 合同月例会 in 東京

次回は東京・日本橋のオルクドールにて、長野イノベーションベース(NIB)との合同開催! 井上高志氏(株式会社LIFULL 会長)をゲストに迎え、さらに深い学びと出会いが待っています。

SIBらしい“熱と実践”に満ちた場を、ぜひ一度体感してください。

一緒に、裸の経営に向き合いませんか?

もしあなたが、

  • 経営にモヤモヤを感じている
  • ひとりで決めることに疲れてきた
  • もっと人として、経営者として成長したい

そんな想いがあるなら、SIBのフォーラムはきっと支えになります。

経営は孤独な旅。でも、仲間となら越えられる壁があります。

静岡イノベーションベースで、あなたの「これから」を一緒に考えてみませんか?